【FC】飲食店のフランチャイズはハードルが高いのか vol.4

2022.08.09


たこ焼き居酒屋たこまるのフランチャイズの加盟募集の準備をしていて、ほかのフランチャイズの業態や内容を勉強させていただくと本当に多種多様なものがあるなと驚きました。
他所様のケースを見ていると自分も加盟してみたいなと思う魅力的なものもあったりします。
なにより最近は「無人」や「非属人的」「24時間稼働」「(オーナー自身の)体を入れない」など、副業で考えられる方は特に刺さるワードが目立つ気がします。
投資的にフランチャイズを捉えられている方々からすると、自分自身が加盟した店舗に時間を取られて本業や他の事業にリソースを割けないのは避けたい、というニーズにはマッチしていると思います。

たこまるでは、そういった考えでの加盟応募は今のところは全く考えておりません。
おそらく他の飲食のフランチャイズでもそうじゃないのかな?と思います。
むしろまずは自分自身が店舗に立って、店の業務を全て把握しエネルギーを注いで店舗に魂を吹き込んでほしいと思っています。
複数店舗に広がって、少し現場から離れる時間ができたとしても、その現場感覚が培われておれば管理する立場になっても、お客様の目線や従業員の気持ちへの理解は保たれているだろうという考えです。

仮に法人でのフランチャイズ加盟があった場合は、事業責任者が当然に現場での責任者になると考えてお話ししたいと思っております。

飲食フランチャイズを選ぶ理由

どうせフランチャイズに加盟するならば、どうせ開業するならば、初期投資は低めに、かつ楽に簡単に大きく儲けれる業種を選びたいと考えるのはすごく当然のことだと思います。
ずっと飲食業で勤めてきた人でも、開業資金を持って他のフランチャイズの選択肢を見てしまうと「飲食以外もありかも」と心が揺らぐのかもしれません。

では飲食フランチャイズを開業するメリットとはなんなんでしょうか?

それはなるべく確実に事業を軌道に乗せることだと私は思います。

個人オーナーの場合は1店舗目は確実に成功させる

おそらく叩き上げの店舗ビジネスの経営者の方なら口を揃えて言うことが「1店舗目は確実に成功させることが必至」ということです。
1店舗目の立ち上げに失敗した、じゃあ次の店頑張りましょう。とはいかないんですね。
その店をなんとしてでも継続した黒字の店にするかどうかで、その後の人生がガラっと変わることは間違いありません。
万が一赤字が続いて資金がつきてしまった場合は再起することは厳しいか、さらに長い時間がかかることでしょう。

少し泥臭い話になりますが、オーナー自身が体を入れて働くことはその成功確率をぐっと上げることになります。
社員スタッフやアルバイトスタッフの人件費、家賃や光熱費、食材原価費など諸経費を売上から払って残った分がオーナー自身の給料(手取り)になります。

当然オーナー自身が生活する最低限の手取りは確保しないといけませんが、自分の代わりに30万の給与で人を雇って払えず店を畳むリスクは避けられます。

また店を何がなんでも売上を上げようという熱量はお店の営業の端々で現場に強い影響を及ぼします。
声量や言葉遣いといった接客の研修、店内の清掃とどれをとってもリスクをとった人の熱量には誰も叶いません。

法人加盟の場合も、自分のプレイングマネージャーとしての役割をしっかりと理解して動ける人が現場に立つかどうかで結果は変わってきますよね。

人が介在するのが飲食の面白さ

飲食店と一言で言っても、種々様々な形態の店があります。
出している料理の内容、お店の大きさ、価格帯、サービスの内容・・。
かなり幅広く、自分が利用する立場としても好みが分かれたりもしますよね。

ですがどの飲食店でも、「人が介在している」ことは共通しています。
マスター目当ての常連で賑わう立ち飲み屋も、客席から厨房が見えない回転すし屋も、店員さんが介在して利用する人は商品やサービスを享受しています。
(だんだんと省人化にはなってきていますが)

たこまるでは属人的な店(オーナーがいないと成り立たない店)ではないように移行してきました。
純粋に提供する商品とサービスを楽しみに来てくれる人でお店が成り立つということですよね。

けれどもマニュアル通りに商品を作ったり、提供サービスを行ったりしても、結局は人は人。
マニュアル通りの言葉使いやフレーズで接していても、その人の息遣いや個性は抑えきれず感じ取れます。

そしてお客様もそういった人との触れ合いにお店に通ってくださったり、ファンになってくださったりしている側面は少なからずあると思います。

そういった部分で、自分の考え方や努力、従業員スタッフへの教育で売上を上げれる要素があるというのはまさに飲食の醍醐味かもしれません。
その要素がない無人店舗や人との接点のない業態の場合は、立地や商品力・時流でのみ勝負が決まってしまうので、それに比べると飲食店はエネルギーを掛ければ伸びる余白は大きいですよね。

やりがいは古い概念なのか

接客業や飲食業は、やりがいや成長が伴う仕事の代表として位置づけられてきました。

言葉通り人と人が接することで成立する仕事ですから、その時間の中で挨拶やコミュニケーションスキルや傾聴力、謙虚な姿勢といったビジネスパーソンとしての構えから、調理や掃除など生活に基づく行動も含めて人間力が高められ成長していき、成長を感じることでやりがいを感じるのは昔も今も間違いなく変わっておりません。
居酒屋といったお酒が絡んだ仕事内容なら、言葉にはしにくい人間の心のバランスの図り方なども見れて人生経験としては深く豊かになっていくことでしょう。

かくいうわたし自身も大学生からそのまま今の仕事を始めましたから、それまでの甘え切った性格を全てお客様という社会に叩き直していただきました。
苦労したとも言えるのかもしれませんが、学生時代までの勘違いした考え方を正せれたことは長い人生で良い経験になったと今振り返っても思います。

ですが、最近ではそもそもそういった”人間力の成長”=”飲食業”という関係は崩れはじめ、逆に「やりがい搾取」という言葉が生まれ、飲食業もその対象に上げられはじめました。
上記の”人間としての成長”は確かに得られるものの、その経験を対価として本来の労働対価である給与やその他労働条件が置き去りになっている職種として世間に浸透してしまいました。

確かに飲食業だけが”やりがい”や”人間力の成長”をスピーディーかつ確実に持っているか?と言えば違うと思います。
また同時に、ようやく業界としての悪い習慣からの脱却が今も現在進行形で行われており、年々働く人の豊かさを尊重した営業や運営が優先して考えられてきていると思います。

つまりは、やりがいは飲食業に限らず自分に合う然るべき仕事には存在する、飲食業を選ぶ理由にやりがいは一つの要素にすぎない。ということです。
やりがいを全面に押し出して、飲食業の良さを語ろうとはしたくないですし、わたしはたまたま自分が選んだ仕事がこの飲食業、というだけでした。